- 認定看護師ミニコラム
- Certified nurse column
2021年03月15日掲載
札幌医科大学附属病院 看護部 手術看護認定看護師
佐藤いづみ手術での体位管理について
手術看護認定看護師の佐藤いづみと申します。
当院では3人の手術看護認定看護師が在籍しております。
手術看護認定看護師として日々手術侵襲を最小限にし二次的合併症を予防するための安全管理(体温、体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)を行うと共にスタッフへの指導・相談を行い、質の高い看護が提供できるよう日々活動を行っております。
今回は手術での体位管理についてお話ししたいと思います。
医療の進歩に伴い手術も高度化・複雑化が進んでいます。当院でも内視鏡下手術用ロボット『da Vinci(ダ・ヴィンチ)』手術の導入や手術室に血管撮影装置を設置したハイブリット手術室を使用する手術など先端医療が行われています。
先端医療を含め手術によっては特殊体位で手術を行わなくてはならないものが数多くあります。例えば脊椎手術では腹臥位(写真1)の状態で数時間手術が行われます。
(写真1)当院での腹臥位手術体位
全身麻酔がかかった後に医師・看護師で患者様を腹臥位にし、(写真2)の支持器の上で手術を受けて頂きます。身体を支える面が小さいだけでなく、安全のため内側に傾斜している事から皮膚に摩擦・ずれが生じやすい構造になっています。
(写真2)
その結果、皮膚トラブルが発生しやすい手術と言えます。
しかし、手術室の看護師として、本来の目的の手術創以外の部位に皮膚損傷が起こることは避けなくてはなりません。
皮膚トラブルを起こさないようどのように予防していくか、学習会を行いながら様々な体圧分散用具の導入、皮膚保護材の塗布・予防的ドレッシング材を使用し患者様に合った皮膚損傷予防の対策をスタッフと共に行っております。
当院で手術を受けて良かったと言っていただけるように安心・安全な手術を目指し、スタッフと共に日々努力しております。