- 認定看護師ミニコラム
- Certified nurse column
2020年12月10日掲載
札幌医科大学附属病院 看護部 認知症看護認定看護師
髙橋文香認知症看護と当院での研修について
認知症看護認定看護師の髙橋です。
認定看護師会として情報発信の場が欲しいとの流れから、
このようなページを作る事になりました。
今後は、認定看護師が持ち回りで情報発信をしていきます。
さて、まずは認知症看護認定看護師の活動の一部をご紹介します。
高齢社会と呼ばれて久しく、
認知症は他人事ではありません。
当院にも多くの高齢者の方、認知症の方が来院・入院されています。
入院中はどうしても慣れない環境や身体的不調から混乱が強くなり、
状況が分からなくなったり、
普段できている事が難しくなったり、
帰る事を強く希望する方がいます。
当院では年に2回、認知症看護の研修会を開催しています。
今年度はCOVID-19対応のため院内の看護師のみを対象としました。
認知症の病態、看護の基本、倫理、せん妄、家族支援、地域連携などを2日間にわたり講義と演習を通じて深めています。
認知症看護は一人ではできません。
スタッフが協力し合い、患者様にとって心地よい看護を継続的に提供していく事が大切です。
研修会を通じて、少しでも患者様が安心して当院に通院・入院してもらえるようにしたいと思っています。
最後に、今日から誰でもできる認知症看護をご紹介します。
患者様との会話の中に日時や場所の情報を盛り込んで会話をするようにします。
「おはようございます。朝ご飯の時間ですよ。」
「今日は雪が降って、すっかり冬ですね。」
「今日から隣のお部屋に引っ越しです。窓からテレビ塔が見えるようになりますよ。」などです。
病院という環境は、どこも同じような見た目で、
一定の温度に保たれ時間や季節、場所を実感し難い所です。
認知症になると徐々に状況を把握する事が難しくなっていきます。
会話の中に情報を盛り込む事で、関わる人みんなが患者様にとってのカレンダーや時計の役割を担い、今を感じる手助けになります。
ぜひお試し下さい。