認定看護師ミニコラム
Certified nurse column

 2021年07月21日掲載

札幌医科大学附属病院 看護部 緩和ケア認定看護師

小山智美

 生きる希望を支える「がんリハビリテーション」

今回のコラムを担当させていただきます、緩和ケア認定看護師の小山智美です。

緩和ケアは、がんなどの重い病を抱える患者さんやそのご家族ひとりひとりの身体や心などの様々なつらさを和らげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアです。緩和ケアの目標は、患者さんとご家族にとって可能な限り良好なQOLの実現になります。

私は、今、緩和ケアチームの専従看護師として活動をしています。治療期の患者さんは、体力低下や筋力低下から、「体力がなくなった。歩くことができなくなってきた・・」と治療の是非に悩まれていたり、終末期の患者さんは、「家に帰りたいけど、この状態では家族の迷惑になるから・・申し訳ない」と話され、スピリチュアルペインを抱えている患者さんがいます。そのような患者さんに対して、薬剤のみではなく、スピリチュアルケアとして、がんリハビリテーションを提案しています。

がんリハビリテーション(以下、がんリハ)とは、「がん患者さんの生活機能と生活の質(QOL)の改善を目的とする医療ケアであり、がんとその治療による制限を受けた中で、患者さんに最大限の身体的、社会的、心理的、職業的活動を実現させること」と定義されています。がんリハは、身体機能の低下による気持ちの落ち込みに対して、体力維持をしているという安心感や気分転換にもなり、治療の継続に対する意欲を維持したり、終末期の患者さんの療養先の選択肢の幅も広がり、患者さんの生きる希望に繋がります。そして、それは、患者さん自身が最も良いと思う道を選ぶ一助となり、患者さんとご家族にとって可能な限り良好なQOLの実現に繋がります。また、進行期や終末期の全身倦怠感の緩和に対しても、有効性が示唆されています。がんリハは、いつでも始められます。患者さんがつらさを話されたときに、治療経過の中で必要性を感じられたときに、是非、ご検討ください。

毎年、札幌がんリハビリテーション研修会を開催しています。この研修会は、「がんリハビリテーション」に精通した人材を育成し、がんに対するリハビリテーションを普及させることを目的に実施しています。内容としては、がん全般に関することや病期に応じたリハビリテーションとともに、この研修会は、多職種がチームとなり参加し、自宅退院を目指す模擬事例患者さんに対して、それぞれの専門性の観点から話し合い、患者さんの希望を支えることを組み込んだ内容となっています。今年度の募集は締め切りましたが、関心のある方は、緩和ケア管理室 緩和ケア認定看護師:小山(内線:37410)まで御連絡ください。

 

 

*オレンジバルーンには、すべての苦痛症状をやわらげたいという思いが込められています。

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