- 認定看護師ミニコラム
- Certified nurse column
2021年06月21日掲載
札幌医科大学附属病院 看護部 手術看護認定看護師
齋藤直美手術部門における災害対策
皆さんこんにちは。手術看護認定看護師の齋藤直美です。今回は手術室における災害看護についてお話いたします。
2018年9月6日3時7分に北海道胆振地方中東部を震央として発生した地震でMj6.7、最大震度7の北海道胆振東部地震はみなさんの記憶にも、新しいのではないでしょうか。手術室を安全に運営するには、電気の他に医療ガス(酸素など)水、電子カルテ端末など多くの資源が必要になります。この災害は常に備えることを再認識した出来事でした。
手術室では病棟と異なり、手術中の患者さんは自ら歩いて避難することはできません。また手術の内容や場面によっては、避難の方法を検討しなければならない複雑な場合も少なくありません。
そこで当手術部門では毎年、状況設定し災害訓練を実施しています。手術室では外科医、麻酔科医、手術室看護師、臨床工学技士、放射線技師、薬剤師など多職種が、一人の患者さんに、専門職として連携しながらチーム医療を提供しています。そのため災害訓練も多職種が参加し、実際の場面を想定してシミュレーションを行っています。実際の災害訓練の方法は、参加者に事前に事例は提供せず、当日の参加者の中から役割分担します。次に、災害発生時の対応を、実際に動いてもらい動画撮影を行います。その後参加者全員で、良かったこと変更が必要なこと、より良くする方法など意見を出し合い、災害発生時に対応するスキルに磨きをかけています。また多くの職種が手術室に関わるため、災害訓練の教育用動画を作成し、同じ知識レベルで対応ができるように工夫を行っています。
今後も、患者さんがどのような状態に置かれても安全に手術が受けられるように日々精進していきます。
※写真は実際に作成した教育用動画