- 認定看護師ミニコラム
- Certified nurse column
2021年02月02日掲載
札幌医科大学附属病院 看護部 手術看護認定看護師
内田裕美手術室の空調と感染症
今回担当させていただきます、手術看護認定看護師の内田裕美と申します。
まず、手術看護認定看護師についてご紹介します。
手術看護認定看護師に求められる熟練した知識や技術には、手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)や周術期(術前・中・後)における継続看護の実践があります。
さて、今回はタイトルにもあります「手術室の空調と感染症」についてのお話を載せようと思います。
手術室の空調は清浄度の高い環境を維持し、術後感染を回避するための空間をつくることを目的としています。そのため、塵埃の流入防止目的に手術室の気圧は、陽圧(2.5Pa以上)に保っています。しかし、肺結核や麻疹、水痘・帯状疱疹といった空気感染する疾患は陰圧に保つ必要があります。当院には普段は陽圧ですが、必要な時に陰圧にできる手術室があります。
この計器によって、陽圧か陰圧か分かるようになっています。
2020年は新型コロナの年でした。日本手術看護学会が作成した「手術室での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策ガイド 第2版」によると「手術室の選択において第1選択は、陰圧室を推奨するが、なければ通常の手術室で実施する。」とあります。また、手術の順番においては、「緊急手術でない限り、最終手術とする。最終手術として対応できず、次の患者に使用しなくてはいけない場合、70分の時間を空けて、環境消毒後使用する(換気回数が1時間6回の場合、室内に飛散した飛沫核の99.9%が除去される時間は69分とされる)。」とあります。ただし、施設によって設備に違いがあるため、感染症対策のために事前に確認することが必要となってきます。
以上、「手術室の空調と感染症」でした。
(参考資料)
・手術看護業務基準:日本手術看護学会
・手術室での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策ガイド 第2版:日本手術看護学会