- 認定看護師ミニコラム
- Certified nurse column
2021年04月07日掲載
札幌医科大学附属病院 看護部 がん性疼痛看護認定看護師
佐藤明美がん性疼痛看護認定看護師の活動について
今回担当させていただきます、がん性疼痛看護認定看護師の佐藤明美です。
がん性疼痛看護認定看護師は、がんによって生じるさまざまな苦痛を全人的な痛みとして捉え、痛みや吐き気、不眠や不安などのつらい症状を緩和するために、痛みの総合的な評価と適切な薬剤の使用および個別的なケアを実践しています。それにより、患者さんやご家族の望む生活が実現できることを目指しています。
認定看護師は専門分野の教育にも携わっており、院内のがん看護に関する教育や研究を行っています。緩和ケア分野の認定看護師とともに、「A特定機能病院の看護師のがん看護に関する困難感と関連要因」のテーマで研究に取り組み、2020年度は、日本緩和医療学会と、日本がん看護学会に共同で発表しました。この研究で得られた知見として、看護師は、がんが進行し終末期に至る患者家族とのコミュニケーションや、在宅支援・地域連携に困難を感じていること、緩和ケアにおける疼痛、消化器症状、せん妄の症状マネジメントに関する知識が不足していることが明らかになりました。また、がん患者家族とのコミュニケーションの困難感は、ベテラン看護師よりも看護師経験が少ない看護師の方が強いことがわかりました。そこで、2021年度は、緩和ケア認定看護師とともに、院内職員を対象に、がん疼痛ケア、疼痛以外の症状マネジメント、終末期が近づいた患者家族とのコミュニケーションを含むがん患者のアドバンス・ケア・プランニング(ACP)に関する勉強会の開催を予定しています。また、さまざまながん看護の経験を持つ看護師のコミュニケーションスキルを体験やディスカッションを通して学ぶ場として、当院では院内外の看護師を対象としたエンド・オブ・ライフケアに関する研修会(ELNEC-J研修会)を開催してきました。2020年度は開催できませんでしたが、2021年度以降、対象や方法を検討して開催を予定していますので、奮ってご参加いただきたいと思います。皆さんと学べることを楽しみにしています。